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のとだより
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学生プロジェクト

時明かりのひと


第一章.「親子代々炭づくり」

大野製炭工場経営 大野さん

■大野さんと語る
 私が初めて大野さんに会ったのは、3年前の雪の日だった。夜遅くに彼の仕事である「炭づくり」について、約3時間余り聞かせてもらった。
 
 私達は温かなホットミルクを啜りながら、ポツリポツリと言葉を交わした。どこの誰かも分からない私の問いかけに熱心に答えてくれ、今から思うと私は本当にずうずうしい奴だったな~って思う。しかも散々語り合った後、最後に彼の仕事場である炭焼き小屋まで見せてもらい、「あ~こんなに仕事を愛し、誇りに思って働いている人はいないだろうな」と感じた。
 彼の「炭づくり」に対する情熱には、何だかこちらまでココロがポカポカさせられた。

 
■炭づくりと能登の時間
 大野さんは今年、31歳になる。卒業後に仕事を求め、東京で1年半営業マンをしていた。しかしそんなある日、お母さんから「帰って来て、お父さんが築いた炭づくりを継いで欲しい」と言われ珠洲に戻ってきた。
 大野さんが言うには、何の迷いも無く「親父の跡を継ごう」と決めたそうだ。私は、その言葉を聞いたとき、びっくりした。私だったら、はっきり言って嫌だ。やっと自分で掴んだ自由や仕事を簡単には手放せない。しかも、お父さんから何も教わっていない炭づくりを一から勉強しなければならないのだ。
 
"自分の人生がこれで決まる"そんな決断をいとも簡単に出してしまう、大野さんのココロの広さや、男らしさに感動してしまった。何よりもやっぱり、自分の生まれ育った土(場所)を愛しているのだ。人間のDNAには、本質的に「生まれた育った場所で人生を送り土に返る」システムが組み込まれているのだろう。でも、そんなことは毎日「あくせく」働いている人たちは、忘れてしまっている。どこかに置き忘れてしまっている。
 
 大野さんは、日置地区の豊かな森の中で木を伐り、大きな炭焼き窯でじっくり時間をかけながら炭づくりをしている。時間を気にせず、自然と上手に付き合いながら生きているのだ。
 
■再会
 最近、約1年ぶりに彼に会った。相変わらす豊かな森の中で、冬なのに大きな汗を滲ませながら仕事をしていた。いつもと全く変らない大きな笑顔で、「お~久し振りやな~」とブンブン手を振りながら出迎えてくれた。
 
「何か変ったことあった?」という私の問いに彼は、「何か最近、生まれ育ったこの土(場所)に恩返しをしたいんや~」って答えてくれた。彼の言葉に、「あ~この人は生まれ育った場所で人生を送り土に返る人」なんだと感じた。
 次に大野さんに会うときは、私も彼のように自分が生きている場所や、仕事に誇りをもって話しができたらステキだなと思った。
 
 大野さんがいつまでも変わらず、そのままの姿で珠洲市日置地区の「時明かりのひと」であって欲しいとココロから願いを込めて。
 
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