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のとだより
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学生プロジェクト

能登半島地震被災地域における歴史資料調査


 2.地震により発見された古文書-中橋家文書-

■能登の天領大庄屋 中橋家
 中橋家とは能登の天領大庄屋を務め、箱館に出店を持ち海運業を営み、能登において金融業を行った豪商です。中橋家文書は中橋家に伝来した古文書で3,000点もの数があります。中橋家文書は中橋家の蔵にあったのですが、能登半島地震により蔵が倒壊したため搬出され、穴水町歴史民俗資料館へ寄贈されました。
■ぎっしり!詰まった古文書
 私たちはその中橋家文書を調査・整理するために資料館から文書を運び出し、穴水ふれあい文化センターで文書の調査・整理を行いました。中橋家文書が収納されている箱は大きな木箱なのですが、それが7箱ぐらいあり、各箱には古文書や掛け軸等がぎっしり入っていました。私は最初、山のようにある古文書を見たときに、そのあまりの古文書の量に驚いてしまいました。整理の仕方は古文書一点一点の内容を確認し、それにふさわしい表題をつけて、整理用封筒に年月日・表題・差し出し・宛所を記載します。年月日・差し出し・宛所は文書にくずし字で書かれており、表題は文書をよく読み内容を把握してつけなければなりません。読みやすい文書であればスラスラ読め、スムーズに進むのですが、中には難しいくずし字などで書かれている文書があるので、そのような時は辞書を見ながら文字を照らし合わせていかなければならないので、大変な思いをします。
■今も昔も・・・
 中橋家文書には先に述べた海運や金融関係の文書があり、そのなかの海運関係の文書には、松前(北海道)との交易が記されている古文書がありました。その文書には松前交易で筵(むしろ)を売買し収益を上げたことや、中橋家当主が加賀藩に筵交易の問屋設置を進言したもの、また、加賀藩の米を松前で売り、その代金で鯡(にしん)を買い藩内で売っていた等、松前交易の具体的な中身が記された文書が見つかりました。この文書の発見により今まで明らかにされていなかった近世穴水の松前交易の様子について新しい発見がありました。海運関係のものでは、古文書の他にも船鑑札が見つかりました。また、中橋家は庄屋でもあった為、村の制度などが書かれた村方支配の文書も今回の調査により発見されました。
 金融関係の文書を整理し、読んでいたときに、お金を借りた人、または土地などを質入した人は一体どのような心境であったのだろうかと考えました。借りた人達には一抹の不安を感じていたと思えました。このように、古文書を読むときにはこのように文書の中の世界も見るということも大事だと思っています。
■あたらしい能登の歴史が見える古文書
 中橋家文書の調査は2回しか出来ませんでしたが、この2回の調査・整理の結果、古文書を保存・利用する体制を作り上げることの助けになることができ、また、今まで不明確であった近世穴水における海運、特に松前交易の様子が明らかになり、能登の歴史の新しい一面を見出したという点でも地域に貢献できたと私は思います。また、これからも中橋家文書の調査を続け、目録の作成まですることがまず第一の目標だと思います。
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